2024年元旦の夕方頃、能登半島沖を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生しました。人的被害数は1500人を超え、約8,500棟もの家屋が全壊、半壊は約20,000棟にも上り、地震発生から4ヵ月が経過する今も5,000人以上の方々が避難所での生活を強いられています。(※2024年4月末現在)
配水管の損傷による断水や、土砂崩れによる道路の寸断など、ライフラインにも甚大な被害が及びました。加えて、歴史ある建物や古くから受け継がれてきた工房・醤油蔵・酒蔵などへの被害も大きいことが、能登半島の復興を複雑にしています。
能登半島の復興は、被災地の方の生活再建だけでなく、日本の伝統文化を守ることにも繋がります。多くの方の継続的な支援が望まれます。記事をご覧いただき、能登半島への関心を向けていただけますと幸いです。
能登半島ってどんなところ?
能登半島には、七尾市や輪島市など、石川県の12の市や町が位置しています。日本海側で1番大きな半島という地形を活かし、古くから海の玄関口として栄えてきました。平安時代には既に日本全国の船が行き来していたと言われています。
そういった歴史から、能登半島には由緒ある寺社仏閣がいくつも建立されています。また、日本海の荒波が作り出す断崖、海沿いの急斜面に作られた棚田など、独特の美しい風景に溢れる場所としても知られています。2011年には「能登の里山里海」として日本初の世界農業遺産にも登録されています。
能登半島は伝統文化の宝庫
今でこそ新幹線や飛行機で気軽に行くことがでる能登半島ですが、少し前までは交通の便がよくない場所でした。そのような理由もあって、他の地域の影響をあまり受けずたくさんの能登独特な伝統文化が現代まで受け継がれてきました。
ユネスコ無形文化遺産となった農耕儀礼「あえのこと」や、ティファニー財団賞を受賞した「花嫁のれん」など、世界的に認められている能登文化も少なくありません。伝統工芸も盛んで、「輪島塗」や「珠洲焼」がその代表例として挙げられます。
能登半島の特産品
輪島塗
数ある漆器の産地の中で唯一、輪島塗は国の重要無形文化財に認定されています。その特徴は強さと美しさを兼ね備えていること。輪島塗には、麻布などで壊れやすい部分を補強する「布着せ」という特有の行程があります。また、珪藻土の一種である輪島の「地粉」を下地とすることで、強度を増しています。
そして、金粉や銀粉を蒔く「蒔絵」や、模様を彫って金粉を埋める「沈金」による優美な装飾が漆器を彩ります。近年ではアクセサリーやUSB、コンパクトミラーなど、食器以外の輪島塗商品も増えており、若い方や海外の方からも注目されています。
能登塩
能登半島には500年以上前から受け継がれている塩作りの伝統技法があります。その技法は「揚げ浜式製塩法」と呼ばれ、海水をくみ上げて塩田へまくのが特徴。手間のかかる方法であるため全国的には衰退し、能登半島は日本で唯一「揚げ浜式製塩法」の残る地域となりました。
そうして作られた塩はまろやかで旨味が強く、そのまま食べても美味しいと評判です。塩自体が美味しいので、塩むすびや天ぷらなど、シンプルな料理との愛称が抜群。また、能登の海が綺麗でミネラルバランスが良いことも、上質な塩作りを可能としています。
いしり(いしる)
いしり(いしる)は能登半島特有の調味料です。秋田のしょっつる、香川のいかなご醤油と並び、日本三大魚醤と言われています。魚を内臓ごと塩につけるのが特徴で、1〜3年かけて発酵・熟成させることで、魚の旨味を凝縮しています。
煮物やパスタ、チャーハンに加えれば旨味とアクセントが加わり、ぐっと味が引き締まります。ナンプラーの代わりとしてタイ料理に使ってもOK!アミノ酸が豊富で、健康効果にも注目が集まっています。
能登半島のおすすめ商品
支援の1つとして、被災地の商品を買うという方法が挙げられます。無理なく支援ができるだけでなく、気に入った商品をリピートすれば継続的な支援にも繋がります。また、商品をおすすめすることで気軽に支援の輪を広げることもできます。
ここからは、すでに販売を再開している能登半島関連のオンラインストアとおすすめ商品をご紹介いたします。復興が進むにつれ取り扱い商品が増えていくかと思われますので、時折チェックしていただければ幸いです。
なお、ご紹介する商品は随時在庫が変動いたしますので、お品切れや発送の遅れが生じる場合がございます。詳細は各オンラインストアをご確認ください。
レトルト食品と侮るなかれ!ちょっと贅沢なランチタイムや、突然の来客にもぴったりの能登牛カレー。お肉屋さんがつくるカレーだからこその、溶けるほどに柔らかい牛肉がたっぷり入っているのが魅力です。年間1000頭程度という、希少な黒毛和種の能登牛を味わってみませんか?
なまこ加工工場の従業員の手が、しっとりしているとの発見から生まれたのがこちらの石鹸。なまこのコラーゲン・海洋深層水のミネラル・福寿草のアスタキサンチンなど、天然由来の成分がたっぷり含まれています。3万個以上を売り上げている、人気商品です。
まるで能登の風のような爽やかさの香るジンです。柚子・榧・月桂樹・黒文字・藻塩の5つの能登素材を使い、ジンの本場であるウェールズの蒸留所で作られています。令和4年度Good Ishikawa Brandに認定されました。
福井大学と七尾市の企業の共同開発よって誕生した、新しいいしりです。本来イカやイワシが使われるいしりですが、こちらの商品には白身魚のメギスが使われ、クセが少なくあっさりした味になっています。また、独自の製法で発酵期間を短縮し、匂いを抑えた使いやすい魚醤です。
鱈と鮫の卵を塩漬けにし、乾燥させたものです。魚問屋により厳選された素材を使い、職人が手間暇をかけ低温乾燥させています。からすみに近い味わいですが、値段はなんと5分の1!おつまみとしてそのまま食べたり、パスタに使用したり、いろいろな食べ方を楽しめます。
縁起の良い梅があしらわれたペアのお箸です。黒は約22.5cmで男性の手に、朱は約21cmで女性の手に馴染みやすい長さです。化粧箱入りで贈り物にもぴったり!お値段は2,420円(税込)と、輪島塗の中では比較的お求めやすい価格の商品です。
大正15年創業のカネヨ醤油によるギフトセットです。能登の醤油はまろやかなうま味と甘みが特徴で、刺身などの海鮮料理によく合います。お肉や野菜にもあうにんにく醤油・しょうが醤油・ゆずポン醤油も入った、大活躍間違いなしのセットです。
100年以上伝統的なろうそくをつくり続けている、高澤ろうそくの商品です。和ろうそくは和紙の上にイグサや真綿を巻きつけており、風に強く力強い炎になるのが特徴。こちらの「和ろうそくななお」は伝統的な技法を使いながら、現代の日常にも溶け込むデザインで、海外でも高い評価を受けています。
能登の塩とカカオがお互いを引き立て合うチョコレートです。ほんのりとした塩味ではなく、じゃりじゃりとした塩の食感まで楽しめるというから驚き!まろやかな能登塩だからこそ、実現できたお菓子かもしれません。賞味期限が製造日より365日と長いのも嬉しいポイント。
なお、こちらのしおちょこは好評につき今期の販売を終了しています。販売再開時期は2024年10月中旬頃に予定されています。
味付けは塩のみという、シンプルゆえにじゃがいも本来の味わいを感じることができるポテトチップスです。奥能登珠洲の揚げ浜塩で味付けることで、素材の風味を活かしています。少し厚めにカットしたじゃがいもを釜揚げしているから、しっかりとした歯ごたえに病みつきになること間違いなし!
輪島塗で作られたラグジュアリーなピンアクセサリーです。小ぶりな桜の可愛らしさと華やかな高級感が魅力的で、重要無形文化財である輪島塗を身に着けられるのも嬉しいですね。和装・洋装どちらにも合います。加藤漆器店ではカフスやネクタイ止め、イヤリングやブレスレットといったアクセサリーのほか、食器や文具なども販売されています。
ゼンマーケットでの購入方法
上記でご紹介した商品は、すべてゼンマーケットを利用してご購入いただけます。検索バーにご希望の商品ページのURLを貼り付けてご注文ください。
なお、食品につきましては国によって禁制品が異なりますのでご注意ください。
参考:国際郵便らくらくナビ|郵便局
まとめ
今回は能登の商品をご紹介しました。改めて能登地方に着目してみると、食・工芸ともに独自の魅力的がある地域だと気づかされます。特産品も漆器や食べ物をはじめ、能登でしか作られていないものが多く、手にしてみたい応援したいと思う物ばかりです。
しかし、地震の被害が大きく未だ販売を再開できない企業が多いという現状もあります。折をみて、また能登の商品をご紹介できればと思います。被災地の皆さまに、一日も早く平穏な日々が訪れることをお祈り申し上げます。