越境ECとは?気になる歴史と由来
「越境EC」は、二つの単語が組み合わさった合成語です。
「越境」は、国境を越えることを意味しています。ECは、英語の「electronic commerce」の略で、日本語に翻訳すると「電子商取引」になります。
その歴史はまだ浅く、大よそインターネットの普及とともに始まっていますが、市場に及ぼす影響は正に絶大と言えるでしょう。
日本でのECのパイオニアは1993年、広島の家電量販店ダイイチ(現在のエディオングループのデオデオ)という会社で、インターネットで洋書の販売を開始しました。
さらに、1995 年には全日空商事,住友クレジットサービスがそれぞれ日用品などのオンラインショッピングビジネスを開始しました。
しかしながら、1997年以降まで日本のEC市場は成長をしませんでした。
そしてある会社が登場することによってEC市場は大きな変化が起こります。
株式会社エム・ディー・エムという会社ですが、この名前を聞いてもほとんどの方がぴんとこないと思います。
実は、株式会社エム・ディー・エムとは、現在の三木谷浩史社長率いる楽天株式会社の旧名です。1997年5月に5月インターネット・ショッピングモール『楽天市場』のサービスを開始したことをきっかけに、日本のEC業界は急速に拡大しました。
価格.com等のサイトの登場によりユーザーの検索コストが下がり、ユーザーのほしい製品が安くネットで購入できるようになり、チケットや飲料水などもこの時から販売されるようになったと と言われています。
また、Zozotown等のファッションコマースが次々に立ち上がり、一部ではありますが、実際の店舗で購入される製品がネットでも購入されるようになりました
Amazon.jpも強化され、市場競争はより激しくなり、これからもその傾向が続くとみられます。
越境ECの始まり
何らかの形での越境貿易は大昔から存在しましたが、ECの登場によりその姿は大きく変わりました。この20-30年の間、世界各地にもECという概念が生まれ、様々な発展を遂げました。
ところが、国内ECに比べて、越境ECの方は成長が遅れていました。
何故かというと、それを妨げるものがあったからです。
それは、越境ECの世界では有名な「三つの壁」という概念です。
三つの壁とは、言語、配送、そして決済の壁です。
つまり、如何にお客様にWebサイトの内容や商品説明を伝えるか、如何に商品をお手元に届けるか、如何にお支払いを受けるかです。
ここ数年、自動翻訳の技術が改善され、人による翻訳には遥かに劣るとはいえ、何となく伝わるところが以前より多くなり、越境ECに利用できるようになりました。
更に、国際物流サービスも改善の道を歩み、昔では考えられない速さでお荷物を届けるようになりました(例えば、10年前は、EMSでの配達は1~2ヶ月もかかっていたが、現在は1週間で届くことが多くなっています)。
このような進歩により、三つの壁を乗り越えることがようやく現実となり、これから越境ECの黄金時代になるのではないかと予想されています。
代理店などに頼らず、日本に居ながら遠く離れた外国の国々に直接商品を送るシステムが登場しました。
なぜ日本にとって越境ECが有利か
他の国々に比べて、日本人が越境ECに頼る(つまり、海外のネットショップから商品を注文する)ことは少なく、殆どの電子商取引が国内で行われています。
PayPal (海外で人気な決済サービス会社)の調査「Cross-Border Consumer Research 」(2015年)によると、日本人が海外から注文する取引の割合は11%に過ぎず、国内のEC取引が88%を占めていることが明らかになりました。
この割合は上記の調査の対象になった他の23か国に比べて最も低いのですが、逆に外国人が日本のネットショップから注文することが比較的多く、<strong">日本は人気の越境EC購入先のトップ5に入っています(同調査のデータに基づく)。
更に、経済産業省の平成27年の調査にも同様なデータが出ています。
以下の図は、日本・中国・米国、それぞれの越境EC市場の比較を行った結果です。
出典: 経済産業省, 平成 27 年度我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)報告書
日本人が海外から商品を注文することが少ないことには、何か理由があるのでしょうか。
一つは、必要なものは大概日本で買うことができ、日本国内の市場で事足りてしまうからです。
もう一つは、日本人が国産のメーカーを高く評価し、外国製品より国産の物を選ぶ傾向があるということではないでしょうか。
それに加えて、海外からの需要も高く、国内のEC市場とグローバル市場の両方に販売できれば、日本にとって大きな利益になると思われます。
越境ECの利点
それでは、越境ECにはどのような利点があるのでしょうか?以下の3つが主に上げられます。
一、販路を拡大できる
海外に向けて販売をするということは販路の拡大となり、新規顧客の獲得に繋がるというメリットがあります。世界の越境EC市場自体は、常に継続して拡大していますので、売り上げの安定的な増加が期待できます。
特に途上国 に於けるインターネット利用人口が急激に増えており、越境EC利用者の数も増えつつあります。それに伴い、2016年の越境EC出費がインドで79%、ナイジェリアでは85%と増え、目覚ましい成長を遂げています(PayPalの「Cross-Border Consumer Research 」(2015年)に基づく)。
アクセンチュアとアリリサーチ(中国のAlibaba企業が率いる市場研究機関)の2015年度の調査によると、2020年には、世界のインターネット通販全体の取引額において、越境ECの取引額シェアが30%近くになるとのことです。
現在、「爆買い」などの影響もあって中国が注目の的になっていますが、これから東南アジア諸国や南米,アフリカなどの越境EC市場の拡大が予測され、これらの国々にも期待が持てます。
また、ロシアは2013年から不景気の時代に入ったとみられ、現在(2016年の時点)に至りますが、まだまだ購買力が残っていますので、こちらの市場も忘れてはいけません。
日米中3か国 だけでも、越境EC による購入総額合計は、2018 年までに約4.4 兆円にまで拡大する見込みですので、上記の途上国を含めて考えると可能性は正に無限大 と言えるでしょう。
二、日本のGDP(国内総生産 )の成長に繋がる
当たり前の話かもしれませんが、海外に商品を売ることで、日本の販売店や生産者の所得が増え、最終的に日本のGDPの成長につながります。
国内の市場を大事にしながら、海外にも販売してみてはいかがでしょうか?
三、費用や手間を抑えて、海外販売ができる
ネットショップが世界で普及する以前は、海外で日本の商品を直販したければ、現地でお店を構える必要がありました。
そのため、資金的・人的な体力がある会社でなければ、海外進出は困難でした。
しかし、現在はネットショップを構えることで日本に居ながら世界に向けて販売を行うことが可能になったため、企業規模に関わらず費用や手間を抑えて海外販売をすることができます。
なお、弊社の海外向けオンライン・ショッピングモール、「ゼンマーケットプレース」では、外国語の商品掲載ページを機械翻訳で作成できるなど、お手軽に越境ECを行うことができるサービスを提供しております。
越境ECの参入障壁・課題
このように参入する価値の大きい越境ECですが 、前述のとおり、越境ECならではの問題が幾つかあります。
・言葉
英語、中国語など外国語の商品掲載ページを作成できるか?
・物流
配送伝票の作成を、間違いの無いように行えるか?
国際配送に耐えられる梱包をできるか?
万が一配送中や通関中にトラブルが起きた場合に対応できるか?
・決済
決済はどのように行うか?
海外の消費者からの支払いを安全に処理することができるか?
・集客・PR策
海外のお客様に、どうやって自分のネットショップへ来てもらうのか?
海外で店の知名度を上げるには、どうすればいいか?
これらの詳細に関しては後述いたしますが、まずお伝えしておきたいのは、海外向けのオンライン・ショッピングモールをご利用になる場合は、上記のほとんどの問題が解決するということです。
特に、弊社のゼンマーケットプレースには、他のモールと比べて様々な利点があります!
その利点や特長については、後ほどご紹介いたします。
スタートしよう!必要な準備と注意事項<基本編>
商品の準備
国内・国外販売に関わらず、これは最も基本的なことですが、疎かにしてはなりません。
先ずは、どんな商品を販売するか、しっかりと決めて、そこから戦略を立てるとよいでしょう。
既に存在する商品を海外に売る場合と、海外で売れそうな商品を予め作って販売する、また、
海外からの注文を頂いてから商品の製造に取り掛かるなど、様々なパターンがあります。
お店に合った販売方式を見つけましょう。
ただ、越境ECに成功するためには、海外と日本経済的な事情・文化的な相違を常に意識しなければなりません。日本で大人気な商品でも、海外では売れない場合があれば、逆に日本ではマイナーな商品が、海外では爆売れすることもあります。
例えば、PS4などはその代表的な例と言えるでしょう。
海外では大変好調だったPS4(PlayStation4)ですが、日本でも売れると思いきや、それほどは売れず、今に至っています。ブームどころか、かなり呆気ない結果になりました。
経済専門家によると、その原因は日本と外国の市場構造の違いと、日本人と外国人の好みの違いがかなり影響しているとのことです。
因みに、どのような日本の商品が海外で売れているのでしょうか。
-化粧品
資生堂、Lebelといった日本ブランドは海外でも名高く、非常によく売れています。化学合成物を用いることが少なく、自然の力による効果を活かしている日本の化粧品がかなり信頼されているようです。
-アニメグッズ
やはり、日本のアニメが海外でも人気があり、キャラクターグッズなどが爆売れします。但し、日本では大人気なアニメが海外ではあまり知られていないケースもあり、注意が必要です。特に日本人にしかわからないネタを多く用いるアニメがこのパターンになってしまうことが多いです。
-サプリメント
アメリカに比べて、日本のサプリメント産業はまだまだだとよく耳にしますが、途上国にはアメリカ並みの人気があります。特に、DHC,ORIHIRO,FANCLといったブランドが有名です。
-ファッションブランド
これは多くの方にとって意外かもしれませんが、日本のファッションブランドが海外ではかなり人気のようです。Kapital, Comme des Garcons、Momotaro jeansなど、日本ではインディなブランドですが、アメリカなどのファッションコミュニティにおいて人気を博しています。
他にも売れている商品がたくさんありますので、そのようなご相談は、是非、ゼンマーケットプレースの出店者サポートにお問い合わせください!
海外に送れない商品
危険物のため、航空便で送れない商品は多くあります。
その中に、なんとなくそうだろうと想像のつくもの(花火、水銀 、高圧ガス、生きた動物等)もありますが、「えっ、なんで」と思ってしまう場合も多いです。
例えば、マニキュア、毛染め、漂白剤 などは、固く禁止されています。
大分類 |
中類 |
郵送できないものの例 |
爆発物・危険物 |
火薬類 |
花火、クラッカー、弾薬、ニトログリセリン、雷管、点火器など |
引火性液体 |
ライター用燃料、ペイント類、小型燃料ガスボンベ、喫煙用ガスライター、引火性エアゾール製品、アセチレン、ブタン、水素など |
高圧ガス |
消火器、アクアラング、スプレーなど |
可燃性物質 |
マッチ、ライター |
酸化性物質 |
漂白剤、過酸化剤、個人用小形酸素発生器 |
毒物類 |
クロロフォルム、加熱蒸散殺虫剤、殺鼠剤など |
腐食性物質 |
水銀、リチウムイオン電池 |
放射性物質 |
プルトニウム、ラジウム、ウランなど |
麻薬類 |
麻薬および向精神剤 |
生きた動物 |
生き物(植物の種を含む) |
また、発送方法によって送れると送れない商品も存在します。
例えば、大人気のEMS(楽天グロバールなどではもっとも一般的な国際配送方法)では、いわゆる「貴重品」は発送不可となっています。
その為、貴重品(例えば、ジュエリーなど)を海外向けに販売するには、別の発送方法を見つけなくてはなりません。
因みに、ゼンマーケットプレースではEMSだけではなく、様々な発送方法(詳しく後述します)をご利用頂けます!
国や地域、ターゲットなどを決めましょう!
国により、需要も異なります。
これから海外向けのネット通販を始める方の場合、英語が得意な方や中国語が得意など
運営される方の得意言語から販売する対象国を決める場合もありますが、
実際には、取り扱う商品に合った国、地域に販売する、
もしくは、国や地域で求められている商材を、新しく商品を仕入れる、オリジナル商品を作って言語を決めて販売することもあります。
ゼンマーケットプレースをご利用頂いた場合、言語を気にする必要が無くなりますので、余裕ができ、生産、品質向上に集中していただけます。
また、ある国や地域におけるターゲット、つまり「誰」に対して販売するのかを決める必要があります。
日本から海外といっても、海外に住む外国人なのか、海外に住む日本人なのか、想定しなければなりません。
それ以外にも、個人向けか法人向け、女性向け、男性向け、子供向けなど
販売するターゲットをしっかり決めることが海外ECの成功への近道です。
為替レート
国内向けの販売の場合は、売る側も買う側も同じ通貨「円」を使用しています。
その為、為替レートを意識することはなかなかないと思います。
ところが、海外へ販売する際、通貨が違ってきますので、為替レートによって得た利益が大きく変動します。
ゼンマーケットプレースに出店していただくと、商品価格はすべて円で表示されますので、面倒な計算を省くことができます(参考に、米ドルでの価格も表示されております)。
但し、円高・円安によって、同じ値段が海外のお客様にとって高く感じたり、安く感じたりすることがあります。コレクターアイテムなど、希少価値の高い商品に限って、為替レートがそこまで影響を及ぼすことはないと予想されますが、それ以外の一般的な商品の場合は、為替レートを意識した価格を設定するように心がけましょう。
出店、構築方法
出店方法は大まかに分けて、三つほどあります。
一、自社用にネットショップのシステムを構築する方法
二、ショッピングカートを利用する方法
三、モールへ出店する方法
海外向けのネットショップシステムをゼロから作るのは、とても大変なことです。
しかし、更に難しいのは、集客とPRです。
予算と時間に余裕がある大手企業ならともかく、中小企業にとってはリスクが高いと指されています。
ショッピングカート
毎月利用料を支払うASPタイプ(ASPとはアプリケーションサービスプロバイダのこと。ソフトウェアをインターネットなどを通じて利用者に遠隔から利用させる事業者やサービス)のショッピングカートを利用する方法が結構人気があるそうです。
サイト作りだけでなく、商品説明の自動翻訳、決済システムが備わっており、また、配送方法も数種類の中から選択できるとのことです。
商品重量と荷物の発送先情報から自動的に送料を計算し請求します。
しかし、上記のようなサービスには幾つか大きな欠点があります。
ショッピングカートサービスは、集客やPRをするわけではありませんし、 詐欺やチャージバックへの対策(詳しく後述します)はありません。
結論を言いますと、ショッピングカートは越境ECを始めるには大変便利であるものの、万能というわけではありません。
モール
モールへ出店すれば、集客、決済、外国語での対応と言った問題がある程度(使うモールによりますが)、解決できます。
しかし、海外のモールって怖いですよね。詐欺などの心配がつきものです。
中国の淘宝(タオバオ)やAlibabaに店舗を開くのは、不安でなりません。
そうなると、やはり安心感のある日本のモールに出店するのは賢明ではないでしょうか。
幸い、日本には越境ECが可能なショッピングモールが幾つかあります。最も有名なのは、やはりRakuten Global Marketですが、弊社でもゼンマーケットプレースにて同様のサービスを提供しております。
基本的な解説は以上となりますが、これよりそれぞれの項目についての詳しい解説をして行きます。
必要な準備とと注意事項<解決編>

多言語翻訳、カスタマーサポート
越境ECを行なうには、外国語のWebサイトの開設や商品説明は勿論のこと、お客様と常に連絡を取り合う必要があります。
それを実行するには、大凡四つの選択肢があります。
一、翻訳専門業者、もしくはフリーランサーに頼む;
二、お店のスタッフが翻訳する;
三、自動(機械)翻訳を使用する ;
四、ショッピングモールに任せる。
翻訳専門家に翻訳を依頼するのは、心強い。が、信頼性の高い会社ほど、料金が高くなりますよね。
また、英語や中国語だけならともかく、幾つかの言語バージョンを作りたい場合、毎回費用がかかります。
更に、サイト構築が終わって、海外から注文が入るようになれば、カスタマーサポートとクレーム対応をしなければなりません。簡単なサイト案内等は、予め業者に頼んで、作ってもらうと良いでしょう。しかし、それだけではショップ運営ができません。
予想外の問題が発生する可能性は常にあります。
こういった問題に備えて、それぞれの外国語に長けているスタッフを雇用することになる可能性が高いでしょう。
となると、最初からお店のスタッフに翻訳の仕事を任せた方がいいのではないでしょうか。
勿論、様々な言語ができるスタッフがいれば、大概のコミュニケーション問題は解決できます。しかし、そういう人材がなかなか手に入らないのは現実でしょう。いたとしても、やはり小中企業にとっては、なるべく費用を抑えたいところもあります。
結論を言いますと、EC越境をしたい場合は、外国語をできるスタッフを雇うに越したことはないのですが、現にそれは難しいです。
自動翻訳サービスを使うのは、お勧めしないという意見が多いのですが、実は意外と役に立ちます。但し、自動翻訳サービスにばかり頼るのは、確かに良くありません。
サイトの基本構造、商品説明を機械翻訳で訳して、専門家に最終チェックをしてもらう方法もあり、そうすることで、費用を最低限で抑えることができます。
とはいえ、カスタマーサポートはやはり人が行うべきです。
日本語という言語は、言語学の視点から見れば、いわゆる「孤立した言語」で、世界のどの言語との系統関係が立証されていません。
その為か、英語や中国語との「翻訳相性」が悪く、自動翻訳の際、ほとんど通じない場合や、全く違う意味になってしまう場合が多くあります。
時によって、それはお店の運営に大きな被害をもたらしかねません。
以上の内容を考えると、やはりショッピングモールに翻訳を任せるのが、最善策ではないかと思われます。
ショッピングモールは外国語版のページは自動翻訳・自動作成し、海外向けの商品掲載ページは日本語版のページをもとに幾つかの外国語(英語他)に機械翻訳された外国語版ページが自動生成されます。
そのため、面倒な翻訳作業が軽減できます。
また、ページ編集機能も備わることが多く、店舗様による外国語版ページの加筆・修正が可能になります。
更に、お客様とのコミュニケーションをサポートする機能もあります。ここで、弊社のゼンマーケットプレースと他社のモールの決定的な違いについて、一言、申し上げたいと思います!
ゼンマーケットプレースのお客様とのコミュニケーションサポートシステム
当サービスでは商品の外国語版ページの作成だけでなく、お客様とのコミュニケーションを全面的にサポートいたします!英語はもちろんのこと、中国語、ロシア語、ウクライナ語のネイティブスピーカーを雇用しており、お客様からのメッセージをリアルタイムで翻訳し、店舗様にお伝えいたします。
また、お客様からのお問い合わせは、弊社でもお答えできる場合や店舗様に直接の関係がない場合、ゼンマーケットプレースのスタッフが対応致します。
決済システム
越境ECを行なうには、海外からも利用可能な決済システムを設置する必要があります。
ただし、決済システムには、あまり知られていない様々な事実が存在します。
日本での通信販売を行う際には、そういった事情を知る機会はあまりありませんので、思いがけない事態に遭遇してしまう可能性が高いでしょう。
これより、詳しくご説明します。
先ず、日本で人気な「代引き」と「コンビニ支払い」のような決済方法は、海外では通用しないことを考慮する必要があります。
以下、海外で人気な決済方法を紹介したいと思います。
PayPal
日本ではあまり知られていないのですが、海外では 圧倒的な人気を誇るクレジットカード決済方法です。 クレジットカードさえあれば個人でもすぐに利用できます。 eBayでも一番利用されている方法です。
因みに、以前紹介したショッピングカートサービスにこの支払方法が付くことが多いですが、お申込みは店舗様ご自身でしなければなりません。他の決済方法も同じです。
Alipay(支付宝)
中国国内で最も認知されている決済手段です。
中国向けの越境ECを行う際、このシステムを使うと便利でしょう。
日本の企業様にとっていくつかメリットもあるとのことです。
例えば、日本の事業者様が提供する商品購入でも、人民元決済で支払いが可能です。
海外発行のクレジットカードからの直接決済取引
日本からそのまま受け取ることができませんので、何らかの決済システムを使う必要があります。
最近、越境ECの普及に伴い、このようなサービスを提供している会社が幾つか存在します(Stripe, Paygent他多数)。また、既に紹介したショッピングカートサービスに設置されることも多いです。
海外送金
海外の銀行から、日本の銀行に直接送金する古典的な方法です。
ところで、これら全ての決済方法には国内決済と違う、一つの共通点があります。
皆さま、何かお分かりでしょうか。
それは、決済の際、毎回、決済手数料が発生することです。
その手数料は大まかに分けて、「固定型」(支払金額にかかわらず、固定した金額が請求されるタイプ)と「パーセンテージ型」(支払われた金額の何%かが請求されるタイプ)があるのですが、どちらにしても、この決済手数料は必ず発生することと、この手数料を必ず誰か(お店側かお客様側)が負担しなればならないことを覚えておきましょう。
詐欺の恐れ
また、越境ECに興味を持っていらっしゃる方なら、必ずある問題を耳にしたことがあるでしょう 。
それは「詐欺」です。
海外発行のクレジットカードなら、必ず出てくるこの問題ですが、詳しく紹介したいと思います。
この「詐欺」の内容というのは、要するに、このようなことです。
まず、「詐欺師」と呼ばれる人物が幾つかのカードを盗みます(直接に人を襲って盗むわけではありません。殆どの場合は、どこかのデーターベースをハッキングするなど、サイバー犯罪のようなものです)。
次に、このカードを利用し、海外から何かを買おうとします(何故わざわざ海外から購入するかというと、自国でそのような行為が判明したら、投獄されますが、越境ECの際、犯罪が判明したとしても、捕まることはほとんどないからです)。
もし成功したら、詐欺師は商品を手元に送って、速やかに身を隠します。
ところが、店舗様にとって一番怖いところはその後です。
カードが盗まれた被害者が、しばらくこれに気づかないケースが多いです。
ようやく気づいたら、銀行、若しくはカード会社に行って、「チャージバック」と呼ばれる行為をします。
チャージバックとは?
チャージバックとは、クレジットカード会員が不正利用等の理由により利用代金の決済に同意しない場合に、クレジットカード会社がその利用代金の売上を取り消すことです。
その結果、EC加盟店はその利用代金をカード会社に返金しなければならず、商品もかえってこないため、損害が発生します。
★実例:狡賢な詐欺の手口★
世の中には、かなり巧みで狡賢い詐欺師が沢山います。
そこで、弊社に起こった実話を紹介したいと思います。
昔、弊社が中国語版を始めたばかりの頃、一人の香港のお客様が現れました。そのお客様はクレジットカードで商品代金や送料を支払っていたのですが、お荷物の梱包手続きを終えたころ、そのお客様が別の名義のクレジットカードからお支払いをしていたことに気づきました。さらにそのクレジットカードが日本人の名義だったので不審に思い、お客様に自身のIDを送ってもらうことになりました。
すると、クレジットカードの名義名と全く同じ名前のIDが送られてきました。しかし、よく見てみると、写真の人物は女性なのに、明らかに男性の名前だったのです。おそらくIDの名前の部分だけソフトなどを使って修正したのでしょうが、その日本人名が男性か女性かというところまでは気にしなかったのかもしれません。
このようなうっかりミスを犯さなければ、私たちも危うく見逃すところでしたので、ぞっとします。もちろんこれ以降、弊社のクレジットカードに関するチェック機能をより強化したのは言うまでもありません。
因みに、チャージバックにはもう一つ、あまり知られていない事例があります。
英語で「Friendly fraud」、つまり「友好的な詐欺」というものです。
この場合、顧客は自分自身のクレジットカードを使ってオンラインショップで買った商品の代金を支払うことを(クレジットカード会社に対して)拒否し、商品だけを入手しようとします。
分かりやすくご説明すると、こういうことです。
日本の会社Aから商品をたくさん買う常連客Bがいると仮定します。しばらく何も起こらず、決済が順調に行われていますので、会社Aは何も疑いません。
ところがある日、お客様Bにいつも通りに荷物を送った後、突然海外のクレジットカード会社から「不正利用」という理由で、チャージバックの請求が来ます。
会社Aが慌てて、商品を送った証拠(送り状など)やお客様との取引の証拠、不正利用がなかった証拠(会話のログなど)を送りますが、無視されます。
お客様Bに説明を求めますが、答えが永遠に返って来ることはありません。
会社Aにはなす術がなく、商品が戻らないままチャージバックされる結果となります。
上記のように、海外のクレジットカード会社や銀行は皆客寄りで、証拠を提示しても、ほとんどの場合は強制的に返金されてしまうのが現状です。
どうでしょうか。本当に恐ろしいですよね。
このような悪質な詐欺を防ぐために、ショッピングモールが様々な対策を考えてきました。例えば、Rakuten Global Marketでは店舗様が不当に不利益を被らないための取り組みとしてチャージバック補償制度があります。
ひと月あたり最大50万円を補償するとのことです。心強いですね。
また、カード会社からの強制的なチャージバックを避けるため、「海外販売のみ決済方法をデビットカードに制限する」という手段もお勧めだそうです。
ちなみに、弊社のゼンマーケットプレースでは、店舗様が直接海外からのお支払いを受け取る必要がなく、すべての決済は弊社ゼンマーケット経由で行われますので、店舗様にとって上記のような詐欺のリスクは一切ありません。
商品が弊社の倉庫に届いた時点で、どんな状況においてもお支払いは100%保証致します。
決済が国内銀行振り込みにて行いますので、抵抗のある海外のクレジットカードに一切触れることはありません。
物流と梱包
最後に物流・梱包にも触れてみたいと思います。
日本と異なり海外は物流サービスがまだまだ整っていません。
国によっては、お客様の元に届くまでに中身が入れ替わっていたり、中身が抜き取られるといった日本では考えられないことも起こる場合があります。
また、海外の郵便局のスタッフも手遣いが粗くて、商品、箱ごと潰されることもしばしばあり、「割れ物注意」等の表記を見かけても、あまり気にせず、雑に扱っているケースも多々あります。
そういったことを防ぐには、国内発送より、何倍も頑丈に梱包しなければなりません。
箱、チューブ、緩衝材を大量に使いますので、それなりの費用もかかるし、梱包の時間も長くなります。
書類の作成
海外へ発送する場合は、インボイス(送り状)を用意する必要があります。
インボイスに、危険物などが入っていないのを証明するには、かなり詳しい解説が必要です。
また、毎回インボイスを手動で作るのはかなり手間がかかりますので、自動化するのは望ましいでしょう。
注意点
★特にUPSやFedExなどの輸送サービスを利用する場合、商品の成分まで書かないといけない場合が多々あります。何故かというと、ワシントン条約という絶滅危惧種の動物や植物を守るための条約があり、そこに記載されている野生動植物の国際配送が厳しく禁じられているからです。
因みに、この条約は1973年に米国のワシントンにおいて採択され、 1975年に効力を生ずることとなりました。この条約では、対象とする野生動植物を 附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのいずれかに掲載し、各附属書ごとの規制をおこなっています。
以前、筆者もUPSから依頼があり、化粧品の成分に載っていたアロエが「キダチアロエ」という珍種ではないことを証明するために、メーカーに問い合わせたりなど手間と時間がかかった記憶があります。
配送中や通関中の問題・故障
以上のように、国際配送中に思いがけぬ問題や故障が発生しえます。
商品にひびが入ったりやお荷物の消息が分からなくなったりするような、物理的な問題もあれば、通関手続きに必要な書類が足りないといわれたり、書類の記入を要求されたりすることもあります。
注意点
★調査依頼が長い。
荷物が届かなかったり、配送中の問題が起きたるすると、郵便局に調査依頼を出すことが出来ます。
郵便局が調査を引く受け、もし郵便局の責任があると認めた場合は、送料か商品代金、もしくは両方を返金してくれますので、非常にありがたいです。
但し、様々な事情により調査が長引くことが多いです。1~2ヶ月は普通で、時には半年以上かかる場合もあります。
★国違い
稀なケースではありますが、何と、配送先の国を間違えて、荷物を別の国に送られてしまうことがあります。
以前、ウクライナ向けの荷物が何故かブルガリアに配送されてしまうということがありました。荷物を何とかウクライナに転送してもらえたので事なきを得たのですが、なぜこのようなことが起こったかのが気になり調べてみたところ、お届け先のウクライナの村と全く同じ名前の村がブルガリアにもあったのです。村の名前が同じだからといって全く違う国に送られるとは、にわかに信じがたいことかもしれませんが、極稀にこういった配送ミスに出くわしてしまうこともあります。
弊社では海外のお客様へお品物を届ける物流システムが既に成り立っているため、ゼンマーケットプレースをご利用の際は、店舗様には商品をの倉庫(国内)まで送って頂くこと以外、面倒な手続きは何も要りません。
EMS,FedEx,UPS等のインボイスの自動的な作成、国際配送の厳しい現実に耐えられるような、極めて頑丈な梱包は弊社の倉庫で行います。
また、ご利用頂ける輸送サービスの選択も豊富で、EMSで送れない商品(ジュエリーなど)はFedEx, UPSで発送可能です。小さい商品は、お客様に人気な「小型包装物」と呼ばれる発送方法でお送りしています。
全ての発送方法には追跡番号が付いており、保険も付いております。
通関トラブルの際、弊社が配送業者や通関業者との交渉、必要書類の記入まで引き受けます。
※必要に応じて、商品の成分などについて、店舗様にお問い合わせさせていただく場合もあります。
ノーリスクでの海外販売をお考えの小売店関係者様は、ぜひ一度、弊社のサービスをご検討ください!
まとめ
越境ECに関する記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
皆様の疑問に少しでもお答えできましたら、幸いです。