世界で最も人気のあるトレーディングカードゲームのひとつであるポケモンカードゲーム。その本拠地が日本であることらも、日本がトレーディングカードの最大市場のひとつであることは言うまでもありません。
任天堂、コナミ、バンダイ、ブシロードなど、世界でも有名な数々のトレーディングカードゲーム(以下トレカ)のメーカーがいずれも日本企業であるということだけでなく、アメリカ発祥のマジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)非常に人気があり、大手トイメーカー・ハズブロ傘下タイトルのプレイヤー数は日本がトップであるとも言われています。
この記事では、日本語版のトレーディングカードが海外から購入されている理由を解説します。
日本語版カードと海外版カードの違い
日本語版と海外版では、各タイトルにおいて販売されている拡張パックシリーズやレアリティの種類、そしてタイトルが販売開始されてからの年数などを考えると、とてもじゃありませんがすべてを解説しきれません……。
そこで、ここでは例として具体的なケースを挙げながら、日本と海外のトレカの最も一般的な相違点をいくつか説明していきます。
ー 言語の違い
すべての日本発かつ海外版も販売されているトレーディングカードに共通すること、それは……間違いなく言語の違いです!
言語の違いはカードゲームのタイトルによって重要度が異なる部分であり、その重要度によって所持しているカードが日本語版であることへの魅力や関心も違ってきます。
例えばポケモンカードゲームの場合、トーナメントの開催国によっては指定された言語のカードを使用したデッキでのみ大会に参加することができます。ヨーロッパのような多言語市場では、英語に加えフランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語など複数言語のカードを使用することが認められていますが、アメリカやオーストラリアなどにおいては英語版カードのみ許可されていることもあります。
なお、日本国内の公式トーナメントに参加するには日本語版カードのみで組まれたデッキを使用しなくてはいけません。
逆にMTGの場合は、同じデッキに複数言語のカードを含めることができるため、カードゲームをプレイする上でカードがどの言語で印刷されているかという部分を気にする必要はありません。これはカードデザインやルールの難易度がほかのカードゲームに比べて高い年齢層をメインターゲットとしていることが理由でもあります。
話が逸れますが、2023年末にラベンズバーガー社が販売開始したディズニー・ロルカナ・トレーディングカードゲームは、日本で2025年1月発売予定となっています。先日「日本の公式大会では他言語カードは使用できない(予定)」というリリースがあり、ファンからは賛否両論の声が出ています。日本語版に先んじて海外版を集めていたファンは複雑な思いを抱えているでしょう。
さて、確かに海外でも言語違いの同じカードは手に入るかもしれません。しかしながら、ゲームをプレイする場所や地域、そしてカードの販売価格によって、海外版だけでなく日本語版のカードを求める人は少なくありません。
皆さんはカードを集める際に、言語の違いを考慮しますか?
ー カードの印刷品質
さて、先ほどの話から考えると、ポケモンカードのように他言語カードの使用に制限のあるタイトルのカードを集める場合、日本語版カードを購入するメリットがないのではと疑問に思った方がいるかもしれません。
もちろん、トレーディングカードゲームの「カードゲーム」の部分を重視し、対戦という競技的な側面にのみ興味をもっている人は、ゲームに使用できないカードにはあまり関心がないかもしれません。ですがトレカ人口を占めているのはプレイヤーだけではありません。そう、コレクターです!
そしてまさに「カードをコレクションする」という趣味において、日本語版カードは海外コレクターにとって非常に魅力的に映るのです。
では日本語版カードのどのようなポイントがコレクターの心に刺さるのでしょうか?たくさんありますが、まず第一に「カードの印刷品質が高い」という点があります。
海外でメジャーな掲示板サイト・Redditのコミュニティを覗いてみると、日本語版カードは他国で製造されたカードよりも全体的に品質が高いという意見で概ね一致していることが分かります。下の写真のような比較画像も見つかります。
ホログラムの豪華さが違うのが分かります
カードに使われている用紙の品質、印刷されたグラフィックの解像度、ホログラム加工のどれをとっても、日本語版は他の国で製造されているものと比較して優れています。
こうしたメーカーの細部への配慮の結果、カードの反りが少ないホログラムカードが登場し、日本語版カードはカードバトルには使用できなくてもコレクション目的で非常に人気があるのです。
ー シリーズの違い
海外のトーナメントにおける日本語版カードの取り扱いについて見ていきましょう。遊戯王について知っている人なら、遊戯王のカードにはOCG(オフィシャルカードゲーム)とTCG(トレーディングカードゲーム)の2種類があることをご存知ではないでしょうか。
いずれのシリーズもコナミにより製造されているものですが、OCGはアジア圏、特に日本をはじめ中国、韓国、東南アジア諸国でプレイされていて、TCGはアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ラテンアメリカでプレイされています。
一部登場するカードが違うという点以外に、2つのシリーズには異なるルール(禁止カード)があり、競技を行う上では一緒にプレイすることができません。見分けやすいように、カードの裏面には異なるロゴがデザインされています。
また、遊戯王OCGにはアジア市場向けに英語で印刷されたもの(アジア英語版)が存在します。これはフィリピンやタイなどの公用語に英語が含まれる国向けに製造されているものですが、そうした一部のアジア圏でのみ使用可能であり、日本や韓国ではそれぞれの公用語で製造されたカードがあるため使用することはできません。
アジア英語版のカードも裏面を見るとすぐに識別が可能で、遊戯王TCGの英語版カードと並べても簡単に見分けることができます。
遊戯王OCG日本語版のカード裏面
遊戯王OCGアジア英語版のカード裏面
では、トーナメントで使用できないにも関わらず、異なるシリーズの遊戯王カードを購入する人はいるのでしょうか?
ゲームはもちろん遊戯王という作品の熱心なファンであり、カードの美しさにも魅力を感じている人たちの中には、ポケカと同様に日本で製造されたカードを収集することを目的としているコレクターも多く存在します。
日本語版のトレカを購入する
ー カードの希少性とレアリティ
ここではポケモンカードの日本版・海外版のレアリティの違いについてお話します。なぜなら、ポケカはコレクターにとって「最もレアなカードを収集する」場合においてレアリティが最も重要となる代表的なタイトルだと考えられるからです。
まず、世界には日本語よりも英語のポケモンカードの方がはるかに多く存在しています。英語圏市場は日本語市場よりも大幅に規模が大きいことを考えると納得です。つまりこの時点で、英語版カードと比較したときの日本語版カードの希少性が示されています。
数が少ないなら、市場がより小さい言語のカードの方が希少性が高く価値があるのでは?と考えた方がいるかもしれません。
単純に考えれば、生産数が少ない特定の言語のカードであるほど希少価値は高くなります。しかし、日本語が分からなくてもポケモンが生まれた日本のカードがコレクターにとって魅力的に映るのは納得できますが、たとえ希少だとしても日本語以外の知らない言語のカードに高い金額を払うかというと、その可能性は低いでしょう。
また、これに関わるのは言語ごとの生産数だけではありません。日本語版と海外版の封入率の違いというデリケートな部分にも触れる必要があります。
トレカについてあまり詳しくない方のために説明すると、封入率とはブースターパックにランダムに封入されているカードの割合を指します。レアリティの高いカードであるほど封入率は非常に低く、5BOX開封してやっと1枚出るか出ないかという世界です。
ポケカではレアカードの封入率は公式発表されておらず、ネットでも意見がまちまちです。英語版の方が日本語版よりレアカードを引きやすいという人もいれば、日本語版のボックスは必ずレアカードが手に入るが、英語版は完全にランダムだと感じている人もいるようです。

さらにこの話をややこしくする要因に、日本語版と英語版のシングルカードの状態における希少性も挙げられます。実際に、トレカ鑑定会社のPSAによって評価された"GEM MINT"(完璧な状態)、"NEAR MINT"(ほぼ完璧な状態)のレアカードは、英語版よりも日本語版の方が流通数が多いようです。これは、日本のコレクターが所持するカードをより丁寧に扱う傾向があるためだと考えられます。
逆説的に、英語版カードは良好な状態で保存されているカードが少ないため同じ日本語版のレアカードよりも英語版の方が価値が高くなることもしばしばあります。
ひとつ確かなことは、圧倒的に価値の高いヴィンテージカードはそのほとんどが日本語版であるということです。(例えばゼンマーケットを通して購入された"ポケモンイラストレーター"のように!)
ー 販売開始時期の差
多くの人気トレーディングカードゲームが日本企業によって製造されていることを考えると、ポケモンカードはもちろん、遊戯王やドラゴンボール、ヴァイスシュヴァルツなどの新商品が海外よりも日本で数ヵ月早くリリースされることは不思議ではありません。
中にはタイトル自体が海外でリリースされるまでに数年かかることもあり、また日本国内でのみ展開され他言語版が発売されないケースもあります。
より国際化が進むカードゲーム市場における今後の各企業の方針は不明ですが、ワンピースカードのブースターパックや比較的新しいタイトルであるユニオンアリーナも、日本での発売から1年遅れの2024年10月にはじめて国際市場にリリースされます。逆に、アメリカ発のディズニーロルカナも日本上陸に1年と数ヵ月かかりました。
ブースターパックを購入する
まとめ 日本のトレカが海外から購入されているワケ
日本のトレーディングカードが海外から購入されている理由について、海外版との違いを交えながら解説してきました。やはりコレクターの収集への熱い気持ちは国境を問いませんね。
記事を読んで、なんだかカードを集めたくなってきた、子どもの頃カードゲームで遊んだ懐かしさを思い出した、という方もいるのではないでしょうか?その気持ち、とてもよく分かります!
最新のブースターパックを手に入れるには、海外では数ヵ月~1年以上待つ必要がある場合がほとんどです。そこで日本で先行販売されている商品を取り寄せ、いち早く遊んだりコレクションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ゼンマーケットは海外在住のお客さまに日本の最新商品をいち早くお届けするお手伝いをいたします。もちろん、ご予約も承っておりますのでぜひご利用ください。
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