歌集　人民　大塚金之助　新評論

箱傷み本体薄やけ。裏の見返しに紙の剥がし跡あります

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大塚 金之助（おおつか きんのすけ、1892年5月15日 - 1977年5月9日）は、日本の経済学者。一橋大学名誉教授。


著者について

近代経済学から始め、ベルリン大学留学後、マルクス経済学者となり、治安維持法で検挙された。日本の降伏後復帰し、日本学士院会員、日本ドイツ民主共和国友好協会会長等を務めた。フンボルト大学名誉哲学博士

アララギ派の歌人としても知られたが、マルクス主義傾倒後は大熊信行主宰短歌雑誌『香圓』に歌論「無産者短歌」を発表し社会主義的立場をとることを表明。戦時中から戦後に自由律に移行した。　

※以下、箱に印刷されている文章を引用します。機械読み取りのためところどころ誤字脱字あります、ご参考まで　

人を愛民の苦しみをわがものとして
生きぬいた。輝かしい「神」の
アララギ」の定型律リアリズムから自由な
五行型詠唱とする作風にみる歴史の証言!
過去半世紀にわたる日本をめぐるきびしい
現実に立ち向かいつつ閃き出た鮮烈な火花!

それぞれ言うに言われぬ方法と苦心とがあったこ とが知られている。私の場合には、 それほどではなかったが、一応書きとめておきたい。

未決檻では、丁度書の小学生が使 ったような2枚つづきの石盤(開 くと右筆で書く雨が2面しかない) と石とふきものとが許されてい また。この石盤には、日々の月日や 運動時間の予定やその他雑多な用 件が書かれており、ロシア語の初 歩文法なども書かれていたが、私 はそこへ短歌を書いていた。 しか もうけん も独房内の検(内の極めて厳 密な検査) がいつ来るかも知れな いので、石盤に書く文字の一ペー つにさえ深い注意を拾わなければ ならなかった。 ここにも一つ、君 の獄窓の歌の限度があった。

学究生活の苦悩と戦前の凶暴な弾圧の嵐に堪え、 戦後の解放を迎えるまでの魂の告白!