Description

1964年 京都府に生まれる、1978年 独学で油彩画に取り組む（13才）、1979年 個展（14才）、1986年 京都精華大学美術学部洋画卒業、1987年 アメリカＮＹＣ滞在、1999年 渡欧（スペイン・フランス・イタリア・トルコ）以後隔年 、2001年 ～個展（以後、各地で開催）、2020年 個展（日本橋三越・仙台三越）、2021年 個展（福岡三越）、現在：滋賀県東近江市在住／師辻真砂　現在のアトリエ小屋に籠って二十余年 、油絵を描き出した13歳の頃の心情をそのままに、新たな画の境地を探求し続けている、積乱雲の空景や琵琶湖に佇む木舟画、ローカル線の沿線画、鳥海山麓の伏流水の情景画等、近年 、表現手法に創意を巡らせ、様々に工夫を試み、より深みのある絵肌や重厚感ある深化した表現を追求しながら、それぞれの対象へ畏敬の意を込めて描いている

藤井路夫「清秋の記憶」板に油彩 6号
藤井路夫氏の作品は、彼の細やかな感性と、豊かな自然に対する深い敬愛が感じられます。この作品では、ゆったりとした時間の流れを背景に、昔ながらの列車がのどかな風景を横切っている姿を捉えています。穏やかな山々のシルエットが遠く霞む中、夕暮れの光が空と大地を黄金色に染め上げ、画面全体に暖かみと静寂をもたらしています。電線柱や細かい草木のシルエットは、作品にリアリティを与えつつも、見る者の心に平和となつかしさを誘います。

藤井氏の技術は、作品の絵肌の深みと重厚感ある表現に表れ、独学で始めた13歳の頃の心情を持続させながら、新たな画の境地を追求し続けていることがうかがえます。彼の表現手法には創意が巡らされており、各地での個展ではそれぞれの対象への畏敬の意が込められた作品が披露されています。現在、滋賀県東近江市のアトリエで静かに制作活動を続ける藤井路夫氏のこの作品は、日本の美しい風土と調和し、静謐な時の流れを感じさせる貴重な芸術作品です。情趣に満ちた、画伯の電車風景の名画です。